「省エネルギー基準の情報」
9月もいよいよ終盤となり、
少しずつ秋の深まりを感じる頃となりました。
秋は気温が下がり始め、暖房の使用が増える季節です。
今回のメルマガでは、
これからの季節にぴったりの2025年4月改正の建築基準法の中の
「省エネルギー基準の情報」をお届けいたします。
改正建築基準法では、
建物の断熱性能とエネルギー効率の強化が求められており、
最新の基準に適合する断熱材や窓ガラスの選定方法が規定されています。
【省エネ基準の設定】
二階建て以上または200㎡超えるすべての住宅は、
説明義務から適合義務に改正されました。
確認申請で省エネルギーも審査対象となります。
「省エネ法」の適合を確認するには
「性能基準」と「仕様基準」の二通りがあります。
性能基準:
「外皮性能」と「一次エネルギー消費性能」の計算を行い、
基準適合を確認する方法
仕様基準:
計算を行わず、各部位の断熱性能を確認する
・設備機器の性能を確認する方法
今回は「仕様基準」についてご説明します。
(確認申請手続きにおいて「省エネ適合性判定」が不要となります)
仕様基準をチェック・確認する為の手順として
1.断熱構造とする部位の把握
屋根・天井・壁・床・開口部等の部位について、
一定の性能以上の断熱仕様にする必要があります。
2.各部位の断熱性能の確認する
断熱性能の基準は各地域区分に定められています。
設計する住宅がどの地域区分に該当するか確認してください、
国土交通省のWebに掲載の「仕様基準ガイドブック」には、
断熱構造部の基準となる性能およびその仕様例が示されています。
3.設備機器の性能を確認する
暖房・冷房・換気・給湯・照明の効率等の基準、
性能値を「仕様基準ガイドブック」等で確認する。
※ ガイドブックは、チェックリストによる省エネ基準を確認するための方法を説明しているものです。
●仕様基準ガイドブック
チェックリストへの記入
1.チェックリストは、 断熱材・開口部・設備機器の仕様を
チェックすることで省エネ基準への適否を確認できます。
チェックリストの使い方は ガイドブックの4~5 ページに記載しています。
断熱材 と 開口部 には 仕様例 を記載しています。
2.設備機器 には 設備仕様 を記載していますが、
省エネ基準への適否確認を容易にするため
「仕様基準」に適合する全ての仕様を網羅したものではありません。
なお、 設備機器 に記載のない設備(床暖房など)や仕様の場合は、
本チェックリストでは省エネ基準への適否が確認できません。
3.断熱材 と 開口部 の適合を確認した後、
設備機器 をエネルギー消費性能計算プログラム
(ガイドブック17 ページ参照)で確認することもできます。
このプログラムを使うことにより、
より多くの省エネ設備の評価が可能になります。
4.「仕様基準」の詳細については、
ガイドブック24~25 ページの「告示記載の仕様基準要旨」を
ご参照ください。
●チェックリスト
※出典:国土交通省 資料ライブラリー
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/04.html
※チェックリストに記入する事で、
省エネ・誘導基準への適否を確認する事ができます。
「仕様基準」は、省エネ性能の評価を簡素化するための基準です。
具体的な断熱材の種類や厚さ、窓の仕様などが明示されているため、
専門的な計算や分析が不要で、設計者や施工者にとって
わかりやすいと思います。
又、国が定めた標準的な仕様に基づいているため、
この基準を採用すれば、
適合性の確認が確実に行えるという安心感があります。
独自の設計や最新技術を活用したい場合は、「性能基準」が有利です。
標準的な設計で問題なければ、「仕様基準」を選ぶと簡便です。
「性能基準」と「仕様基準」のどちらで手続きを行うかを選ぶ際、
それぞれの特徴とメリットを考慮して、
状況に応じて有利な方を選択することが大切です。